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BAP(骨型アルカリフォスファターゼ)(準用先区分D007-30)

平成12年11月1日より適用の血液化学検査
保険点数:200点 定量検査
基準範囲:2.0-120ng/mL
製品名:タンデム-R オスターゼ
製造元:Beckman Coulter, Inc. Fullerton, CA, U.S.A. TEL:714-871-4848
輸入元:(株)エスアールエル TEL:0426-48-4026
発売元:(株)テイエフビー TEL:03-5951-1183
測定方法:IRMA法  100テスト/キット(100測定)
結果がでるまでの時間:約21時間  自動化:不可
同時再現性:10%以下       日差再現性:10%以下
検体:血清
【特徴】検体とヨウ化抗BAPマウスモノクローナル抗体(125I)と抗BAPマウスモノクローナル抗体固相ビーズとを反応させ、洗浄の後、ガンマカウンタを用いて抗体ビーズのカウント数を測定する、1ステップのIRMA法である。
 BAP(骨型ALP)は、アルカリフォスファターゼの4種類あるアイソザイムの1種である。BAPの測定は骨芽細胞の機能状態に関係し、骨の形成状態を知る指標となると考えられている。骨Paget病、甲状腺機能亢進症などの代謝性疾患、原発性の骨癌、前立腺癌、乳癌、肺癌等の骨転移などで血清中のBAPが上昇する。また、慢性腎不全に伴う腎性骨異栄養症の診断の指標としての有用性や成長ホルモン投与効果を反映するので、骨回転の異常を伴う疾患や骨疾患治療薬の治療効果のモニタリングとしても有用である。本法をEIA法との相関をみたところ、回帰式 y=0.726x-1.587、相関係数 r=0.973であった。
【保険請求上の注意】D007血液化学検査「30」のBAP(骨型アルカリフォスファターゼ) および同区分「30」のアルカリフォスファターゼ・アイソザイム精密測定と併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
【文献】Panigrahi K, et al. ; Characteristics of a Two-site Immunoradiometric Assay for Human Skeletal Alkaline Phosphatase in Serum. Clin Chem, 40: 822-828, 1994

インフルエンザA/Bウイルス抗原(準用先区分D012-16)(区分D-1)

平成12年11月1日より適用の感染症血清反応
保険点数:190点 定性検査
基準範囲:陰性
製品名:インフルエンザ OIA
製造元:BioStar Inc., Boulder, Co 80301, USA
輸入発売元:第一化学薬品(株) TEL:03-3272-0681
測定法:光学的免疫測定法(OIA法)  30テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:約20分 自動化:不可
検体:鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、咽頭ぬぐい液、喀痰
【特徴】検体中のインフルエンザ抗原と酵素標識抗体の複合体が、テストデバイス上の抗A/B型インフルエンザ゙抗体と免疫複合体を形成する。更に、基質を反応させると反応生成物がテストデバイス上に埋積して厚みを増し、紫-青の色調に変化する。この色調の変化を肉眼で判定する。
 本キットは、鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、咽頭ぬぐい液等の検体中のA型またはB型インフルエンザ抗原を、診療の現場で迅速簡便に検査できるキットである。インフルエンザはA型およびB型とも潜伏期が短く、急性の発熱性ウイルス疾患である。小児では脳炎・脳症を合併することがあり、高齢者では肺炎を合併して死に至る場合もある。また、インフルエンザは感染力が強く、時に病院などの施設内で集団発生を起こすことがある。本キットでインフルエンザを迅速診断することによって、患者への対応のみならず、その家族や施設内への感染拡大防止に対して迅速に対応ができるようになる。鼻腔吸引液を検体とした場合の本法の性能は、ウイルス分離培養法と比較すると、有病正診率は83%(35/42例)、無病正診率は66%(67/101例)である。
【保険請求上の注意】インフルエンザA/Bウイルス抗原は抗原抗体反応(OIA法)により、発症後48時間以内に実施した場合に限り、区分「D012」感染症血清反応の「16」に準じて算定する。インフルエンザA/Bウイルス抗原と本区分「9」ウイルス抗体価のインフルエンザウイルスA型またはB型を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
【文献】山崎雅彦,他:鼻咽頭吸引液を検体としたOptical Immunoassay法によるインフルエンザ迅速診断.感染症誌,73:1064-1068,1999

ヘリコバクター・ピロリの検査

平成12年11月1日より適用の細菌培養同定検査
1)迅速ウレアーゼ試験(準用先区分D018-6) (区分D-1)
保険点数:70点 定性検査
判定:赤色の場合は陽性
製品名:MRウレアS
製造・発売元:(株)特殊免疫研究所 TEL:03-3814-4081
測定法:迅速ウレアーゼ法 30テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:2時間  自動化:不可
検体:胃又は十二指腸粘膜組織
【特徴】基質試薬液に被検検体を加えると、菌が産生するウレアーゼが基質試薬中の尿素を加水分解し、アンモニアが生じる。生じたアンモニアによりpHが上昇し指示薬(フェノールレッド)の色調が変化する。この色調の変化でヘリコバクター・ピロリの有無を目視判定する。
 ウレアーゼ法に基づく、簡便な検査であるが、有病正診率、無病正診率とも従来の細菌培養同定法に匹敵する。本診断薬を用いると、ヘリコバクター・ピロリ感染患者の場合、通常20分ほどで判定できる。本法を尿素呼気試験法と比較したところ、有病正診率は95.2%、無病正診率は85.7%であった。
【保険請求上の注意】当核検査法を含むヘリコバクター・ピロリ感染診断の保険請求上の取扱いについては、「ヘリコバクター・ピロリ感染の診断および治療に関する取扱いについて」(平成12年10月31日 保険発第180号)に即して行うこととなっている。
 その内容の要旨は次のようになる。
 除菌前の感染診断については、内視鏡検査又は造影検査において胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定判断がなされた患者のうち、ヘリコバクター・ピロリ感染が疑われる患者に対し、次の5項目の検査法(�@迅速ウレアーゼ試験-�A鏡検法-�B培養法-�C抗体測定-�D尿素呼気試験)のうちいずれかの方法を実施した場合に1項目のみ算定できる。ただし、検査の結果ヘリコバクター・ピロリ陰性となった患者に対して、異なる検査法により再度検査を実施した場合に限り、さらに1回に限り算定できる。  除菌後の感染診断(除菌判定)については、除菌終了後4週間以上経過した患者に対し、ヘリコバクター・ピロリの除菌判定のために上に掲げる検査法のうちいずれかの方法を実施した場合に1項目のみ算定できる。ただし、検査の結果ヘリコバクター・ピロリ陰性となった患者に対して、異なる検査法により再度検査を実施した場合に限り、さらに1回に限り算定できる。除菌後の感染診断の結果、ヘリコバクター・ピロリ陽性の患者に対し再度除菌を実施した場合は、1回に限り再除菌に係る費用及び再除菌後の感染診断に係る費用を算定することができる。
【文献】西川恵子,浅香正博,他:H. pylori感染診断における新しい迅速ウレアーゼテスト(MRウレアS)の有用性の検討.臨床と研究,74:1879-1881, 1997

2)迅速ウレアーゼ試験(準用先区分D018-6) (区分D-1)
保険点数:70点 定性検査
判定:赤色の場合は陽性
製品名:MRウレア
製造・発売元:(株)特殊免疫研究所 TEL:03-3814-4081
測定法:迅速ウレアーゼ法 25テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:2時間  自動化:不可
検体:胃又は十二指腸粘膜組織
【特徴】測定原理は前と同じで指示薬はフェノールレッドである。
 他のウレアーゼ法と同じ。本法を培養法と比較したところ、有病正診率は94.4%、無病正診率は100%と良好であった。
【保険請求上の注意】前と同じ。
【文献】西川恵子,浅香正博,他:改良型迅速ウレアーゼテストであるMRウレアの有用性についての検討.臨床と研究,73:1011-1014, 1996

3)迅速ウレアーゼ試験(準用先区分D018-6) (区分D-1)
保険点数:70点 定性検査
判定:赤色の場合は陽性
製品名:ヘリコチェック
製造元:(株)特殊免疫研究所 TEL:03-3814-4081
発売元:大塚製薬(株)  TEL:03-3292-0021
測定法:迅速ウレアーゼ法 30テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:2時間  自動化:不可
検体:胃又は十二指腸粘膜組織
【特徴】測定原理は前と同じ。本法を尿素呼気試験法と比較したところ、有病正診率は95.2%、無病正診率は85.7%と良好であった。
【保険請求上の注意】前と同じ。
【文献】松久威史,他:Helicobacter pylori感染診断におけるヘリコチェックの有用性.臨床と研究.75:2279-2282, 1998

4)迅速ウレアーゼ法(準用先区分-D018-6) (区分D-1)
保険点数:70点 定性検査
判定:橙色・赤色又は紫紅色の場合は陽性
製品名:CLOテスト「コクサイ」
製造元:Ballard Medical Products-2050 Lone Peak Parkway Draper, Utah 84020 U.S.A. TEL:+1-801-572-6800
販売元:国際試薬(株)  TEL:078(231)4151
測定法:迅速ウレアーゼ法
結果がでるまでの時間:2時間    自動化:不可
検体:胃又は十二指腸粘膜組織
【特徴】測定原理は前と同じで、指示薬はフェノールスルホンフタレインである。従来の培養法に比べて、迅速かつ簡単に検査ができる。
【保険請求上の注意】前と同じ。
【文献】Warren JR,Marshall BJ: Unidentified Curved Bacilli on Gastric Epithelium in Active Chronic Gastritis. Lancet i: 1273-1275, 1983

5)迅速ウレアーゼ試験(準用先区分-D018-6) (区分D-1)
保険点数:70点 定性検査
判定:青色の場合は陽性
製品名:ピロリテック テスト キット
製造元:Serim Research Corp., 23565 Reedy Dr., Elkhart, Indiana,
  TEL:1-219-264-3440
輸入元:サクラ精機(株)  TEL:03-3231-1614
販売元:三共(株)  TEL:03-5255-7111
測定法:ウレアーゼ活性法 25テスト/キット
結果がでるまでの時間:5-60分(平均約20分)
検体:胃生検組織
【特徴】測定原理は前と同じで、指示薬はブロムフェノールブルーである。ピロリテックにより、胃・十二指腸潰瘍患者の内視鏡診断時に、ヘリコバクター・ピロリ感染のリアルタイム診断ができる。1試薬で胃生検組織3検体まで同時検査が可能で、部位別にも判定できる。本法と検鏡法・培養法とを比較すると、有病正診率は98.5%(128/130例)、無病正診率は94.4%(34/36例)であった。
【保険請求上の注意】前と同じ。
【文献】川村典夫,他:Helicobacter pylori感染診断に於ける高感度rapid urease test "PyloriTekィ Test Kit"の評価及び除菌判定への応用. 医学と薬学, 41: 467-476,1999

6)尿素呼気試験(準用先区分D018-6)
保険点数:70点 定量検査
判定:呼気ガス中の13CO2比率の変化量2.5‰以上が陽性
製品名:ユービット(体内診断用医薬品)
製造・発売元:大塚製薬(株) TEL:03-3292-0021
測定法:赤外分光分析法または質量分析法
呼気の採取:服用前と後20分  1包/テスト(シングル測定)
結果が出るまでの時間:25分
検体:呼気
【特徴】13C-尿素呼気試験法は、非放射性の安定同位体13Cで標識された尿素を服用し、胃内のヘリコバクター・ピロリのウレアーゼ活性により分解され、呼気中に排出される13CO2を検出し、服用前後の呼気を採取し、ヘリコバクター・ピロリの感染診断を行う。本剤を用いて13C-尿素呼気試験を行った結果、有病正診率、無病正診率、診断効率はそれぞれ98.2%、97.9%及び98.1%であった。本法と他の方法(培養法、CLOテスト、組織鏡検法、血清抗体法)を比較したところ、診断効率はいずれも90%以上であった。また、UBiT-IR300(大塚電子株式会社)の赤外分光分析装置を用い呼気ガス中の13CO2比率の変化量(Δ13CO2:単位‰)を測定することもできる。
【保険請求上の注意】前と同じ。
【文献】Ohara,S. et al.:J.Gastroenterol., 33:6, 1998

平成12年11月1日より適用の感染症血清反応
7)ヘリコバクター・ピロリ抗体 (準用先区分D012-7) (区分D-1)
保険点数:70点 定性検査
判定:凝集が認められれば陽性
製品名:ピロリセットドライ
製造元:Orion Diagnostica P.O.Box 83,02101 Espoo, Finland
輸入発売元:第一化学薬品(株) TEL:03-3272-0681
測定法:ラテックス凝集法   24テスト/キット (シングル測定)
結果がでるまでの時間:約5分 自動化:不可
検体:血清
【特徴】検体中に抗ヘリコバクター・ピロリ抗体が存在すると、ラテックス上のへリコバクター・ピロリ抗原と抗原抗体反応を起こし凝集する。この凝集の有無を観察することにより抗ヘリコバクター・ピロリ抗体の存在の有無を判定する。本キットはラテックス凝集法であるので、特別な機器を必要とせず判定できる。
【保険請求上の注意】前と同じ。
【文献】山本一成,他:Helicobacter pylori感染診断における血清抗H.pylori抗体検出キット・ピロリセットドライ(PYLORISET Dry)の有用性の検討.基礎と臨床,28:2785-2796,1994.

8)ヘリコバクター・ピロリ抗体(準用先区分D012-7) (区分D-1)
保険点数:70点 定性検査
判定:赤色のラインを生じた場合は陽性
製品名:ラピラン H.ピロリ抗体
製造・発売元:大塚製薬(株) TEL:03-3292-0021
測定法:イムノクロマトグラフィー法  10テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:20分    自動化:不可
検体:尿
【特徴】尿検体(希釈検体)を滴下すると、IgGと金コロイド標識抗ヒトIgG(Fc)ポリクローナル抗体(ヤギ)が反応し免疫複合体を形成し、ニトロセルロースメンブランを流れ進む。免疫複合体中の抗ヘリコバクター・ピロリIgG抗体複合体は、テストライン上に固相化したヘリコバクター・ピロリ抗原と反応し、それ以外の複合体はコントロールライン上に固相化された抗ヒトIgGモノクローナル抗体(マウス)に捕捉され、赤色のラインとなって現れる。本キットは、尿中に微量に存在する抗ヘリコバクター・ピロリ抗体を検出する。本品と血清中の抗ヘリコバクター・ピロリ抗体検出キット(3品目)と比較すると有病正診率は88.9%-94.6%、無病正診率は56.8%-83.9%であった。生検組織診断法(培養法、鏡検法、迅速ウレアーゼテスト)と比較すると有病正診率は89.2%-89.6%、無病正診率は77.0%-93.8%であった。
【保険請求上の注意】前と同じ。
【文献】S.Yamamoto, et al.: A New Rapid Test for Detecting Anti-Helicobacter Pylori Antibody Excreted into Urine. Helicobacter,5:160-164,2000

9)ヘリコバクター・ピロリ抗体(準用先区分D012-7) (区分D-1)
保険点数:70点 定性検査
判定:赤紫色のラインの場合は陽性
製品名:ミニットリード ピロリ抗体
製造・発売元:(株)特殊免疫研究所 TEL:03-3814-4081
測定法:イムノクロマトグラフィー法  30テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:15分間(反応時間)  自動化:不可
検体:血清又は血漿(抗凝固剤はヘパリン、EDTA、クエン酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウムいずれも可)
【特徴】メンブレン上を検体が移動して、乾燥H. pylori抗原結合金コロイド粒子を溶解し、検体中のヘリコバクター・ピロリ抗体と複合物を形成する。クロマトグラフィー法の原理により、移動した複合物がメンブレン上のH. pylori抗原に捕捉され、赤紫色のラインが現れる。
 イムノクロマトグラフィー法に基づく簡便で非侵襲的な検査である。本法を尿素呼気試験法と比較したところ、有病正診率は93.8%、無病正診率は78.3%であった。
【保険請求上の注意】前と同じ。
【文献】奥井雅憲,他:全血を用いた血中抗Helicobacter pylori抗体検出キットZYC-101の有用性.基礎と臨床,30:2093-2101, 1996

10)ヘリコバクター・ピロリ抗体精密測定(準用先区分D012-7) (区分D-1)
保険点数:70点 定性検査
判定:陰性10U/mL未満  陽性10U/mL以上
製品名:イムニス ピロリ抗体EIA
製造・発売元:(株)特殊免疫研究所 TEL:03-3814-4081
測定法:EIA法  96テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:50分
自動化:不可
検体:血清又は血漿(抗凝固剤はヘパリン、EDTA、クエン酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム)
【特徴】マイクロプレートに固相化されたヘリコバクター・ピロリの精製特異抗原とペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgGマウスモノクローナル抗体を用いた2ステップサンドイッチ法である。EIA法に基づく非侵襲的な検査で、感度、特異性とも尿素呼気試験に匹敵する。本法を尿素呼気試験法と比較したところ、有病正診率は98.9%、無病正診率は100%と良好であった。
【保険請求上の注意】前と同じ。
【文献】鈴木伸明,他:Helicobacter pylori IgG抗体測定用試薬「イムニス ピロリ抗体EIA」によるHelicobacter pylori の存在診断及び除菌治療効果判定の検討.臨床と研究,75:943-947, 1998

11)ヘリコバクター・ピロリ抗体精密測定(準用先区分D012-7) (区分D-1)
保険点数:70点 定性検査
判定:陽性10単位/mL以上 陰性10単位/mL未満
直線性:100単位/mL
製品名:ヘリコG「コクサイ」
製造元:Axis-Shield Diagnostics Limited The Technology Park
  Luna Place Dundee DD2 1XA Scotland TEL:+44-(0)1382 422000
販売元:国際試薬(株)  TEL:078(231)4151
測定法:EIA法  96テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:1時間40分
自動化:可
同時再現性:CV 1.8%-4.0%
日差再現性:CV 2.0-7.3%
検体:血清
【特徴】固相のヘリコバクター・ピロリ抗原に検体中の抗体を反応させて複合体を形成する。ペルオキシダーゼ(POD)標識抗体を加え、形成した複合体に基質を加え呈色反応させて吸光度を測定する。検体が血清であるため、培養法などに必要なバイオプシーが不要である。本法と培養法と比較すると有病正診率は96.2%(51/53例)、無病正診率は60%(9/14例)であった。
【保険請求上の注意】前と同じ。
【文献】山川 治,他:Helicobacter pylori 感染診断における血中抗体価の意義.日消病会誌,90:2090-2096,1993

12)ヘリコバクター・ピロリ抗体精密測定(準用先区分D012-7)
保険点数:70点  定性検査
判定:陰性1.7EV以下-判定保留域1.8-2.2EV-陽性2.3 EV以上
直線性:0-6.5 EV
製品名:デタミナーH. pylori抗体
製造元:Enteric Products, Inc., 25 East Loop Drive Stony Brook,
  NY 11790-3355, USA  TEL:1-631-444-8872
輸入・発売元:協和メデックス(株) TEL:03-3297-8104
測定法:ELISA法  96テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:1時間  自動化:可
同時再現性:3.8%-9.4%   日差再現性:2.6%-5.5%
検体:血清
【特徴】ウェルに固相されたヘリコバクター・ピロリに特異的な精製高分子細胞関連蛋白(HM・CAP)により、血清中のヘリコバクター・ピロリ抗体を捕らえる。ぺルオシダーゼ標識抗ヒトIgG抗体で検出し、TMB発色反応後の吸光度から計算によりヘリコバクター・ピロリ抗体濃度(EV)を求める。固相抗原には菌自体ではなく、ヘリコバクター・ピロリに特異的な精製高分子細胞関連蛋白(HM・CAP)を使用している。全分割式マイクロタイタープレートを使用しているため、1検体から多量検体まで測定可能である。本法と他法を比較すると有病正診率は99.5%(190/191例)、無病正診率は96.4%(163/169例)であった。
【保険請求上の注意】前と同じ。
【文献】Graham D. et al.: Epidemiology of Campylobacter Pylori Infection: Ethinic Considerations. Scand. J. Gastroenterol., 23(Suppl 142): 9-13,1988

13)ヘリコバクター・ピロリ抗体精密測定 (準用先区分D012-7) (区分D-1)
保険点数:70点 定性検査
判定:陰性10U/mL未満 陽性10U/mL以上
直線性:300U/mLまで
製品名:E-プレート‘栄研’H.ピロリ抗体
製造・発売元:栄研化学(株)  TEL:03-3813-5401
測定法:EIA法   96テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:1時間15分    自動化:可
同時再現性:1.0-3.6%           日差再現性:3.6-4.7%
検体:血清及び血漿(抗凝固剤は特に指定なし)
【特徴】ヘリコバクター・ピロリ抗原固相化プレート内で標準又は検体及び酵素標識抗体を順次反応させ、抗原抗体結合物を生成させる。この結合物を基質液との酵素反応により発色させ、プレートリーダーで吸光度を測定し、ヘリコバクター・ピロリ抗体濃度を求める。
 本品は国内株由来の抗原を使用している。本法と尿素呼気試験を比較すると有病正診率は90.7%(68/75例)、無病正診率は91.5%(54/59例)であった。
【保険請求上の注意】前と同じ。
【文献】藤岡 利生,他:Helicobacter pylori除菌判定における国内株を用いた血清抗体価測定キットの評価.医学と薬学,43(3):573-579,2000

14)ヘリコバクター・ピロリ抗体精密測定(準用先区分D012-7) (区分D-1)
保険点数:70点 定性検査
判定:カットオフインデックス:1.0以上が陽性
製品名:ウリネリザ H.ピロリ抗体
製造・発売元:大塚製薬(株) TEL:03-3292-0021
測定法:ELISA法  96テスト/キット(シングル測定:91検体)
結果がでるまでの時間:2時間30分 自動化:可
同時再現性:6.9-8.5%  日差再現性:2.8-10.4%
検体:尿
【特徴】尿検体中の抗ヘリコバクター・ピロリ抗体が抗原プレートに結合し、これに酵素標識抗体液を反応させ、基質液を加えて発色させその吸光度を450nmで測定する。同時に測定した陽性コントロール及び陰性コントロールの吸光度からカットオフ値を算出し、検体の陽性又は陰性を判定する。本品キットは、尿中に微量に存在する抗ヘリコバクター・ピロリ抗体を検出する。本キットと血清中の抗ヘリコバクター・ピロリ抗体検出キット(3品目)とを比較すると有病正診率は85.7-94.5%、無病正診率は86.0%-94.6%、生検組織診断法(培養法、鏡検法、迅速ウレアーゼテスト)と比較すると、有病正診率は94.5-97.0%、無病正診率は67.3%-68.7%であった。
【保険請求上の注意】前と同じ。
【文献】M.Kato, et al. :Clinical Usefulness of Urine-based Enzyme-linked Immunosorbent Assay for Detection of Antibody to Helicobacter pylori: A Collaborative Study in Nine Medical Institutions in Japan. Helicobacter,5(2):109-119,2000

15)ヘリコバクター・ピロリ抗体精密測定  (準用先区分D012-7) (区分D-1)
保険点数:70点 定性検査
判定:50U/mLを超えた場合は陽性 30U/mL未満の場合は陰性
  30U/mL-50U/mLの場合は判定保留
直線性:30U/mL-500U/mL
製品名:スマイテストELISA[ヘリコバクター]
製造元:SILENUS Labs. Pty. Ltd.  Boronia, Victria, Australia
  TEL:+61-3-9839-2000
輸入元:(株)ゲノムサイエンス研究所 TEL: 03-5833-3451
発売元:(株)医学生物学研究所 TEL:052-971-2081
測定法:ELISA法    82テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:約1時間  自動化:可
同時再現性:7.0-7.6%   日差再現性:7.5-11.6%
検体:血清、血漿、ろ紙乾燥全血
【特徴】本試薬は、マイクロカップに固相した不活性化したヘリコバクター・ピロリ抗原と酵素標識抗ヒトIgGヒツジ抗体を用い、患者血清、血漿若しくはろ紙乾燥全血中のIgGクラスの抗ヘリコバクター・ピロリ抗体を、酵素免疫測定法で検出する。本試薬は血清、血漿、ろ紙乾燥全血中の抗ヘリコバクター・ピロリ抗体濃度を測定する。本試薬はMAOS、AP960、BEP�の機器で自動化が可能である。本試薬を培養法と比較したところ、有病正診率は94%、無病正診率は82%であった。
【保険請求上の注意】前と同じ。
【文献】Schembri M.A., et al; A Comparison of Commercial Diagnostic Tests for Helicobacter pylori Antibodies �th Workshop on Gastroduodenal Pathology and Helicobacter pylori. Bologne, J Clin Microbiol, 31:2621-2624,1993


ヒアルロン酸(準用先区分D007-39)(区分D-2)

平成12年9月1日より適用の血液化学検査
保険点数:300点 定量検査
基準範囲:50 ng/mL未満
直線性:800 ng/mLまで
製品名:エルピアエースHA
製造元:(株)ヤトロン Tel 03-3862-1761
発売元:中外診断科学(株) Tel 03-3987-0705
測定法:ラテックス凝集法 300テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:約20分  自動化:可
同時再現性:0.5%〜3.5% 日差再現性:2.0%〜5.0%
検体:血清又は血漿(EDTA、ヘパリン)
【特徴】 検体中のヒアルロン酸は、ヒアルロン酸バインディングプロテイン感作ラテックスと反応し、凝集塊を形成する。この凝集塊を光学的に測定し、ヒアルロン酸濃度を求める。
 ヒアルロン酸は、N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸が交互にβ-1,4結合により重合した酸性ムコ多糖類で、皮下組織を接合させる作用を有し、臍帯、関節腔の滑液および眼の硝子体に含まれている。ヒアルロン酸は、肝疾患、リウマチ性関節炎などの線維化をともなう疾患において上昇し、血中ヒアルロン酸濃度の測定は、肝疾患及び慢性関節リウマチの病態把握に有用で、肝臓の線維化にともなう合成亢進や肝類洞内皮細胞の機能低下による分解障害を反映するマーカーであるとされている。本キットはラテックス凝集法を原理とした均一測定系であり、B/F分離が不要なことから、自動的に分析できる。測定時間は約20分以下である。
 本キットと既存のサンドイッチ バインディングプロテインアッセイ法であるヒアルロン酸プレート「中外」との相関は、血清検体でr = 0.974、y = 1.01x+3.6、血漿検体でr = 0.981、y = 0.96x+5.1と良好である。
【保険請求上の注意】 ただし、本検査は慢性肝炎の患者に対して、慢性肝炎の経過観察および肝生検の適応の確認を行う場合に算定できる。
【文献】 上野隆登ら:肝疾患における血清ヒアルロン酸濃度測定の意義.肝臓、32(8):767-774、1991

心筋トロポニンI精密測定(準用先区分D007-48)(区分D-1)

平成12年3月1日より適用の血液化学検査
保険点数:340点 定量検査
基準範囲:0.6 ng/mL未満
直線性:0.5〜150 ng/mL
製品名:オープス トロポニンI
製造元:Dade Behring Inc. Newark, DE 19714 USA
輸入発売元:デイド ベーリング(株) Tel 03-5365-8200
測定法:FIA法 50テスト/キット(シングル測定)
結果がでるまでの時間:約20分  自動化:可
同時再現性:15%以下 日差再現性:2.7〜7.7%
検体:血清
【特徴】 本法は、EIA法を応用した蛍光イムノアッセイ(FIA)により、血清中の心筋トロポニンI(cTnI)の濃度を測定するものである。なお、測定は専用免疫測定装置「オープスアナライザ」で自動的に行われる。
 トロポニンは心筋構造蛋白のひとつであり、トロポニンI(TnI)とトロポニンT(TnT)の2種類がある。TnTは急性心筋梗塞(AMI)の診断マーカーとして、既に保険収載されている(平成5年)。今回、FIA法という感度、特異性に優れたTnIの測定法が開発された。TnIの臨床的意義は、TnTと同様に急性心筋梗塞の診断と不安定狭心症患者の予後判定の有用性が示唆されている。
 TnIおよびTnTは、他の心筋梗塞のマーカーと比較するとAMIの場合、早期診断の他、異常値が長く続き基準範囲に戻るのに数日かかることから、AMI発症から時間を経過した症例でも診断が可能である。AMIにおける有病正診率、無病正診率、診断効率についてTnIとTnTを比較検討したところ、それぞれ74%/56%、96%/82%、86.8%/70.9%とTnIが有意に高かった。またAMI早期診断の可能性についてTnIとTnTの有病正診率はそれぞれ、発症3時間以内では41%/18%、発症後3〜6時間では86%/62%、発症後6時間以上では97%/89%とTnIが良好であった。また無病正診率について、TnIとTnTを比較してみると、非AMI患者ではそれぞれ4%/18%、腎障害患者では1.5%/46.3%とTnIが良好であった。Galvaniらの報告によれば、不安定狭心症患者91例についてTnI値を測定し、陽性群と正常群に分けて検討したところ、陽性群では予後が悪く、重篤な不安定狭心症患者の予後判定に有用としている。AMI患者群においてTnIとTnTとの相関をみると、相関係数r=0.87と良好な相関を示した。本キットは専用の免疫測定装置により約20分間で迅速測定が可能である。
【保険請求上の注意】 ただし、本検査と同区分「48」の心筋トロポニンT精密測定を同一月に併せて実施した場合は主たるもののみ算定する。
【文献】 安部 智他:心筋トロポニンI迅速測定による急性心筋梗塞の診断精度、循環器科、41:509−517、1997

HBe抗原精密測定(準用先区分D013-6)(区分D-2)

平成12年3月1日より適用の肝炎ウイルス関連検査(1)
保険点数:180点
基準範囲: 陽性:カットオフインデックス(COI) 1.0以上
製品名:エクルーシス� HBeAg
製造元:Roche Diagnostics GmbH,Mannheim,Germany
輸入・発売元:ロシュ・ダイアグノスティックス(株)  Tel 03-5443-7041
測定法:ECLIA法 100テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:18分  自動化:可
検体:血清
【特徴】 ストレプトアビジンコーティング磁性マイクロパーティクルと2種のモノクローナル抗体(ビオチン化抗体及びルテニウム標識抗体)との、ストレプトアビジン−ビオチン系を用いたサンドイッチ法と、電気化学的な発光反応による電気化学発光免疫測定法により測定する。
 HBe抗原はB型肝炎罹患が疑われる患者またはB型肝炎治療中の患者において、HBVが活動期であるか否かを知る重要な指標であり、HBVの感染力及び的確な治療を進める上での指標のひとつである。また、キャリアにおける持続性感染の経過観察の指標にもなる。HBe抗原を測定することでHBV感染力を的確に把握できるため、B型肝炎患者の適切な治療に有用であり、専用の電気化学発光免疫測定装置エクルーシスシステムを用いて患者血清中のHBe抗原を精密に測定するECLIA試薬で、既存の試薬と同様の性能を有する。本キット及び既存のEIA法のキットであるエンチムンテスト HBeAg + Anti-HBeの測定結果は、100%の一致率を示し、良好な相関性が認められた。
【保険請求上の注意】 特になし
【文献】 小林 良乃、他:全自動電気化学発光免疫測定装置「エクルーシス2010」によるB型肝炎マーカーの測定.医学と薬学、42:749〜755、1999

HBe抗体価精密測定(準用先区分D013-6)(区分D-2)

平成12年3月1日より適用の肝炎ウイルス関連検査(2)
保険点数:180点
製品名:エクルーシス� Anti-HBe
基準範囲: 陽性:カットオフインデックス:COI 1.0以上
製造元:Roche Diagnostics GmbH,Mannheim,Germany
輸入・発売元:ロシュ・ダイアグノスティックス(株) Tel 03-5443-7041
測定法:ECLIA法 100テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:18分  自動化:可
検体:血清
【特徴】 ストレプトアビジンコーティング磁性マイクロパーティクルと、HBe抗原・2種のモノクローナル抗体(ビオチン化抗体、ルテニウム標識抗体)の、ストレプトアビジン−ビオチン系を用いた競合法と、電気化学的な発光反応による電気化学発光免疫測定法により測定する。
 B型肝炎のマーカーの一つであるHBe抗体は、HBVのコア部分の内部を構成するポリペプチドであるe抗原に対する抗体であり、HBV感染後のセロコンバージョン期より産生されるが、HBe抗体陽性の場合、HBVの感染力が弱く、非活動的である。HBe抗体が陽性の場合、血中にHBVが存在しないか、存在してもごくわずかであり感染性が低いことを示しており、陽性例のほとんどは肝炎が鎮静化し、非活動的である。
 本試薬は患者の血清中のHBe抗体を測定することによりHBV保有者の感染力の有無を判定できるため、HBV感染の的確な治療に有用であり、専用の電気化学発光免疫測定装置エクルーシスシステムを用いて患者血清中のHBe抗体を測定するECLIA試薬で、既存の試薬と同様の性能を有する。本キット及び既存のEIA法のキットであるエンチムンテスト HBeAg+Anti-HBeの測定結果は、100%の一致率を示し、良好な相関性が認められた。
【保険請求上の注意】 特になし
【文献】 小林 良乃、他:全自動電気化学発光免疫測定装置「エクルーシス2010」によるB型肝炎マーカーの測定.医学と薬学、42:749〜755、1999

IgM-HBc抗体価精密測定(準用先区分D013-10)(区分D-2)

平成12年3月1日より適用の肝炎ウイルス関連検査(3)
保険点数:250点
製品名:エクルーシス� Anti-HBc IgM
基準範囲: 陽性:カットオフインデックス:COI 1.0以上
製造元:Roche Diagnostics GmbH,Mannheim,Germany
輸入・発売元:ロシュ・ダイアグノスティックス(株)  Tel 03-5443-7041
測定法:ECLIA法 100テスト/キット(シングル測定)
結果が出るまでの時間:18分  自動化:可
検体:血清または血漿 (EDTA、ヘパリン)
【特徴】 ストレプトアビジンコーティング磁性マイクロパーティクルと、ビオチン化抗体及びルテニウム標識抗原とのストレプトアビジン−ビオチン系を用いた競合法と、電気化学的な発光反応による電気化学発光免疫測定法により測定する。
 B型肝炎のマーカーの一つであるIgM−HBc抗体は、HBVのコア部分に対する感染抗体で感染初期より産生され、B型急性肝炎感染後の患者の血中に数ヶ月間認められるので、B型肝炎罹患診断の指標に用いられる。また、慢性肝炎の急性増悪時にも高値を示すので、治療の予後観察の指標ともなる。
 本試薬はIgM−HBc抗体抗体価を精密に測定するため、B型肝炎の早期発見と的確な病態把握による早期治療ならびに的確な経過観察に有用であり、専用の電気化学発光免疫測定装置エクルーシスシステムを用いて患者血清または血漿中のIgM−HBc抗体を測定するECLIA試薬で、既存の試薬と同様の性能を有する。
 本キット及び既存のEIA法のキットであるコバス コア Anti-HBc IgM-EIA(EIA法)の測定結果は、100%の一致率を示し、良好な相関性が認められた。
【保険請求上の注意】 特になし
【文献】 小林 良乃、他:全自動電気化学発光免疫測定装置「エクルーシス2010」によるB型肝炎マーカーの測定.医学と薬学、42:749〜755、1999

抗ガラクトース欠損IgG抗体精密測定(準用先区分D014-6)(区分D-2)

平成12年3月1日より適用の自己抗体検査
保険点数:190点  定量検査
カットオフ値:6AU/mL以上陽性
直線性:500AU/mLまで
製造・発売元:三光純薬株式会社 Tel 03-3863-3271
測定法:ECLIA法 100テスト(96検体用)/キット (シングル測定)
結果が出るまでの時間:約20分  自動化:専用の自動測定装置 (ピコルミ8220)にて可
同時再現性:1.0〜7.5% 日差再現性:2.1〜6.2%
検体:血清
【特徴】 ビーズに固相化したヒトガラクトース欠損IgGに検体中の抗ガラクトース欠損IgG抗体を特異的に結合させ、さらに結合した抗ガラクトース欠損IgG抗体にルテニウム標識レクチンを結合させ、電気エネルギーを加えることによりルテニウム錯体を発光させ、検体中の抗ガラクトース欠損IgG抗体濃度を定量するサンドイッチ型電気化学発光免疫測定法(ECLIA法)である。
 抗ガラクトース欠損IgG抗体は、RA(慢性関節リウマチ)に特異性の高い血清マーカーであることが知られている。
 本キットによるRA患者の陽性率は、90.9%(110/121例)であり、従来のリウマチ因子測定法(TIA法)の70.2%(85/121例)に比べ有意に高かった(p<0.0001)。また、TIA法でリウマチ因子が陰性のRA患者(セロネガティブRA)を本キットで測定したところ69.4%(25/36例)が陽性と判定できた。
 本キットと既承認レクチン酵素免疫測定法との相関は、r=0.976、y=1.059x−1.505と良好である。本キットはレクチン酵素免疫測定法に比べ短時間 (約20分)に測定でき、測定範囲が広い。
【保険請求上の注意】 特になし
【文献】 平山 吉朗、他:電気化学発光免疫測定法による血清中抗ガラクトース欠損IgG抗体測定用キット「ED041」の開発と性能検討.医学と薬学、42:817〜828、1999

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